
任意整理をしてブラックリストに入ってしまうと、生命保険加入にも影響があるんじゃないの?
とご心配されている方、ご安心ください。任意整理後でも生命保険に加入できます!
その理由を詳しく説明します。
目次
任意整理後に生命保険に入るには?
任意整理をすると、信用情報機関に事故情報として5年間登録されてしまいます。社会的デメリットの少ない任意整理ですが、このいわゆる「ブラックリスト入り」は避けようがありません。この登録期間中は、新たにローンを組んだり、融資を受けたりできなくなります。では、任意整理の後、生命保険には入れるのでしょうか?
任意整理をしていても生命保険に入れる!
結論から申し上げて、任意整理後5年間のあいだでも、生命保険には問題なく加入することができます。生命保険加入に際して、特別な配慮や手続きも必要ありませんのでご安心ください。
生命保険会社は信用情報を確認しない
生命保険に加入すると、毎月保険料を支払わなければならなくなります。この、定期的にお金を振り込むという仕組みが、クレジットカードや消費者金融、住宅ローンなどの支払いと似ているため、「任意整理をしてブラックリストに載ってしまうと、生命保険加入にも影響がある」と誤解されてしまうことがあります。
しかし、本来生命保険とは、加入者から振り込まれたお金を保険会社が運用して、保険適用時にまとまった額を支払うという仕組みなので、借金ではありません。支払いを滞納しても、生命保険会社は被害や損失を受けるわけではないのです。ここが、支払いを怠ると貸した側に被害が出る借金と決定的に違うところです。
加入者が支払いを2か月以上滞納した場合、解約返戻金から自動振替されるか、これまで振り込んだ額が自動振替するだけの額に達していないときは失効になります。(※失効後も3年以内なら、保険料の追納により元の状態に復活が可能です。)
生命保険は借金ではないので、加入審査の時に、加入者の与信情報や信用情報を調査することはないのです。
生命保険会社が信用情報機関に加盟している場合は?
ところが、大手生命保険会社の中には、CICなどの信用情報機関に加盟している会社もあります。CICや他の信用情報機関に加盟している会社であれば、当然、生命保険の加入審査の時に、事故情報がないか記録を確認するのではないでしょうか?
※CICとは
主に割賦販売やローンなどのクレジット事業を営む企業が加入している信用情報機関です。日本にはほかにも、JICCと全銀協という信用情報機関があります。
信用情報機関の情報は「返済能力の調査」に関してのみ照会できる
しかし、ご心配には及びません。実は、信用情報機関の情報は、返済能力の調査に関する場合にしか参照できないと、法律上定められているのです。信用情報機関の情報が、加盟していればどんな目的でも閲覧できるのであれば、個人のプライバシーの侵害になってしまいます。ですから、割賦販売法や貸金業法において、信用情報を返済能力調査以外の目的に使用したり、第三者に情報を提供してはならないと定めているのです。
先述した通り、生命保険の支払いは借金の返済ではありませんので、生命保険加入の審査の際、信用情報を調査することはできません。
生命保険会社が信用情報機関に加盟している理由
では、なぜ生命保険会社がCICなどに加入しているかといいますと、保険以外に住宅ローンなどの別の金融サービスを提供しているためです。これらの会社は、ローンのサービスの審査の際にのみ、CICなどの情報を参照しています。生命保険はまったく別の業務ですので、生命保険加入の際に気にする必要はありません。
ブラックリスト入りを極端に怖がらずに、専門家に相談しよう
借金が苦しいのに、ブラックリストに入ることを怖れて、任意整理をためらっている方も多いのではないでしょうか。確かに、ブラックリストに入れば借金ができなくなりますが、その影響は限定的なものです。借金の問題でお困りならば、ブラックリスト入りを過度に怖がらずに、債務整理を得意とする弁護士に相談してみましょう。