
消費者金融から借りたお金が支払えなくなり、別の消費者金融から借りて支払うのを繰り返すうちに、とても返済できない額になっていた!
一度も返済していないけど、借金を任意整理できるのかな?
なかなか聞けない任意整理の疑問にお答えします!
目次
多重債務から自転車操業に……危険な落とし穴
貸金業者から借りた借金、無事に返せているうちはいいのですが、突然の出費などがあって期日までに返済できない場合、その場しのぎに別の貸金業者からお金を借りて、そのお金で借金を返済する、という方も少なくありません。いわゆる「自転車操業」や「まわし」という状態です。
その場でお金を払うことができれば、ひとまず当面は、貸金業者からの取り立てを受けずに済みます。しかし、この自転車操業状態に陥ってしまうと、借金が利息もかさんで雪だるま式に膨らみ、借金地獄から抜け出せなくなる危険があります。これが、典型的な多重債務の問題です。
いったん多重債務に陥ってしまうと、業者によっては一度も返済できないまま、任意整理を検討することになるかもしれません。しかし、一度も返済をしないまま任意整理をするのは難しいと考えてください。
和解するためには、返済のために努力した「事実」が必要
貸金業者は、「この人は貸したお金をちゃんと返す意思があり、返済能力もある」と見込んでお金を貸しています。借金の支払いが苦しく、業者に任意整理で利息のカットなどをお願いする場合には、「頑張って返済しようとしたのだけど、どうしても返済できなかった」という「事実」が必要です。
大切なのは、借りた本人がいくら「最初は真面目に返済するつもりだったけど、できなかったんです」と懇願しても、その言葉だけではだめだということです。口だけならばなんとでも言えるからです。「返済のために努力をした」という客観的な事実があって初めて、貸金業者も「それならば仕方ないな」と和解に応じてくれるようになります。具体的には、少なくとも数カ月や半年間のあいだ、借金を返済しているという「事実」が、借主の努力を裏付けてくれます。
和解を持ちかけても相手に拒否される
一度も返済しないまま、借金の利息カットなどの任意交渉を持ちかけても、貸金業者に拒否される可能性が高いです。任意整理は本来、法律的な根拠を持たない私的な任意交渉ですから、債権者も話し合いに応じる義務があるわけではありません。
弁護士にも受任してもらえない
一度も借金を返済しない状態で任意整理をしたい旨を弁護士に相談しても、受任してもらえない可能性が高くなります。弁護士は、事件を受任するかどうかは自由で、法律上受任義務というのはありません。「これは成功する見込みのない事案だ」と思えば、依頼を断ることができるのです。
弁護士は、着手金を前払いとして受け取るほかに、和解成功後の成功報酬や、借金減額交渉に成功した場合の減額報酬など、後払いの報酬を受け取ることで、初めて売り上げになります。一度も返済をしていない状態での任意整理の場合、最初から和解が成功する可能性が低く、後払い報酬がもらえる見込みがないので、弁護士にも受任を断られる可能性が高くなります。
一度も返済していないと自己破産や個人再生も不利になる
任意整理が難しいなら、自己破産や個人再生なら可能かというと、ここにも難しい問題が生じます。貸金業者が裁判所に「異議申し立て」をしてくる可能性が高いからです。異議申し立てがあると、ケースによっては個人再生の再生計画が不許可になったり、自己破産の免責が不許可になるなど、不利な状況に立たされるおそれがあります。
任意整理も自己破産も個人再生も、「借金を返す意思があって借りた人が、返せなくなってしまった場合」の救済措置です。「もとから借金を返済するつもりがなく、踏み倒すつもりだった人」のための制度ではないため、一度も返済をしていない場合は、踏み倒すつもりだったのかと疑われてしまい、不利になってしまうのです。場合によっては、最悪、詐欺罪で訴えられるケースも考えられます。
弁護士にご相談を
それでも、やむをえない事情によって、一度も返済できないまま、返済したくてもできない状態に陥ったケースもあることでしょう。まずは、弁護士に事情を詳しくご相談ください。東京ロータス法律事務所では、電話やメールによる無料相談を承っております。