
借金をする場合は、家族の生活費や養育費などのためにローンを組むケースも少なくありません。
マイホームのための住宅ローンも、家族で仲良く暮らすための資金といえます。
債務整理をする人の家族構成はどうなっているのでしょうか?
自己破産や個人再生した人の家族構成とは
社会人になると、借金が身近なものとなります。自分の欲しいものや旅行、エステ、趣味やギャンブルなどのために、消費者金融やクレジットカードのキャッシング機能を利用するケースもあるでしょう。
しかし、高額の借金を最初に真剣に考えるきっかけとしては、結婚して家庭を持った際、家族で住むマイホームのために、住宅ローンを組むかどうかで悩まれる方が多いのではないでしょうか。自分の家を持つのは、一人前の社会人としての誇りでもあります。
また、家族の生活費や養育費、医療費などのために借金をするケースもあります。
理由は様々ですが、借金が苦しくなり、債務整理をした人の家族構成はどうなっているのでしょうか?
自己破産は単身者、個人再生は3人暮らしが最も多い
2014年に裁判所を通して債務整理手続き(自己破産、個人再生)をした人の家族人数は、以下のようになっています。
自己破産をした人には単身者がもっとも多く、30.40%と約3割が単身者となっています。
個人再生の場合は3人家族が多く、25.14%と約4分の1を占めています。
自己破産の場合は、単身者の場合はマイホームなどの大きな財産を持っていないケースが多く、自己破産のデメリットが少ないことや、借金をきっかけに家族と別居したり、離婚になるケースがあることなどが要因として考えられます。
個人再生の場合、手続きのメリットとして「住宅ローン特則の利用により、ローンつきの住宅に住んだままで借金を大きく減額できる」というものがあります。そのため、家族でマイホームに住み続けながら個人再生手続きを行うケースが多いと考えられます。
自己破産すると同居の家族に請求がいくって本当?
任意整理や個人再生、自己破産などの債務整理をためらう理由として、「自己破産等の債務整理手続きをすると、借金取りが配偶者や家族に取り立てをするのではないか」というものがあります。そのため「自己破産の前に離婚しておくべきか」と悩まれる方が多いです。
しかし、債務支払いの義務は、一人ひとり個別的なものです。夫が自己破産などの債務整理手続きをしたからといって、妻子などの家族に返済の督促がなされることはありません。ヤミ金などの違法な貸金業者からお金を借りたのでもない限り、心配ありません。
万が一、同居の家族が取り立てを受けた場合は、ただちに警察や弁護士に相談して下さい。
ただし、親や妻子などの家族が、借金の連帯保証人になっている場合は、話は別です。連帯保証人は借金をした本人と同等の責任を負うので、本人が破産した場合には、債権者から弁済を求められます。
連帯保証人は、家族としての地位に基づくものではなく、契約による地位ですので、離婚したからといって連帯保証人でなくなるわけではありません。
以上から、「家族に取り立てをしてほしくないから離婚」というのは、意味がないことが分かります。
自己破産前に離婚をする場合の注意点
自己破産をすると、生活に最低限必要な財産以外は没収されますが、手放すことになるのは破産した本人名義の財産のみです。そのため、自己破産前に離婚をして、財産分与や慰謝料という名目で妻に財産を譲ったことにして、資産を守ろうとする人がいます。
正当な理由のある財産分与であれば問題はないのですが、離婚して、元配偶者に高額な財産分与を行い、その直後に自己破産した場合は、財産隠しと疑われることがあります。破産管財人に財産隠しと判断されると、財産分与の効力が認められないケースがあります。免責の判断に影響が出ることもありますので、自己破産の直前に、財産分与や慰謝料の支払いを伴う離婚は避けた方が無難です。
自己破産の前に離婚を考えている場合は、専門家に事前によく相談しましょう。
参考URL
自己破産は離婚前後でどちらが得?財産隠し判定されない対策は?
http://xn--cafe-4g7f979mnpzclld.jp/jikohasan-rikon